MEKURMEKU

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。

走れメロス太宰 治

己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨せっさたくまに努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍ごすることも潔いさぎよしとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為せいである。己おのれの珠たまに非あらざることを惧おそれるが故ゆえに、敢あえて刻苦して磨みがこうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々ろくろくとして瓦かわらに伍することも出来なかった。

山月記中島 敦

ある日の事でございます。

蜘蛛の糸芥川 竜之介

えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧おさえつけていた。

檸檬梶井 基次郎

恥の多い生涯を送って来ました。

人間失格太宰 治

こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐すわっていると、仰向あおむきに寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。

夢十夜(第一夜)夏目 漱石

「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」

注文の多い料理店宮沢 賢治

桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。あるいは「孤独」

桜の森の満開の下坂口 安吾

「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。

走れメロス太宰 治

隴西ろうさいの李徴りちょうは博学才穎さいえい、天宝の末年、若くして名を虎榜こぼうに連ね、ついで江南尉こうなんいに補せられたが、性、狷介けんかい、自みずから恃たのむところ頗すこぶる厚く、賤吏せんりに甘んずるを潔いさぎよしとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山こざん、犍略かくりゃくに帰臥きがし、人と交まじわりを絶って、ひたすら詩作に耽ふけった。下吏となって長く膝ひざを俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺のこそうとしたのである。

山月記中島 敦

えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧おさえつけていた。

檸檬梶井 基次郎

自分は黙って首肯うなずいた。女は静かな調子を一段張り上げて、「百年待っていて下さい」

夢十夜(第一夜)夏目 漱石

そこで考え出したのは、道化でした。

人間失格太宰 治

ある日の事でございます。

蜘蛛の糸芥川 竜之介